イースター(復活祭)
長い眠りから覚め、草木が芽吹き、動物たちが活発に動き出す春。
春は、「復活」を感じるのに最高の季節。
復活祭(Pâques)とは、人類の罪を背負い、十字架に磔にされて死んだイエス・キリストが、人類の罪を贖い、死の力を打ち破って、三日目に復活したのを祝うお祭りです。
実は、ノエルよりも大事。
アルザスでは、春先に、羊や魚の形をしたアルザス陶器の型でケーキを焼きます。
3月頃から、うさぎや卵の店舗装飾やイースターエッグの飾りも増えます。
復活祭の日、子供たちは、うさぎの家を庭に作って、プレゼントを待ちます。うさぎたちが庭に落としていったうさぎや卵の形をしたチョコを、拾い集めなければなりません。
ペンテコステ(聖霊降臨祭)
聖霊降臨祭(Pentecôte)とは、イエス・キリストを信じる者たちが聖霊を受けたことを祝う日。
以降、聖霊は、神を信じる全ての者の内に永遠に住むものとなりました。
キリスト教では、創造主としての父である「神」と、贖罪者としての神の子「キリスト」と、助け主としての「聖霊」とは、唯一の神が三つの位格として現われたものであり、元来一体のものである、と考えています。
創造主=神
キリスト=神
聖霊=神
収穫祭
アルザス地方では、夏から秋にかけて、様々な収穫祭が開催されます。
盛大なのは、夏休みの期間中に行われるワイン祭りやホップ祭りですが、教会や町によって、お祭りの内容は異なります。
食べることや飲むことに夢中になって忘れがちですが、神が創ったもの、神が与えてくれるものに、感謝する日です。
収穫時期に限らず、神を信じる者は、1年中、いつでもどこでも心の中で「ありがとう」を言っています。
ノエル(降誕祭)
降誕祭(Noël)とは、長く暗い闇の世に生まれた光、イエス・キリストの降誕を祝う日です。
毎年、11月~12月、ストラスブールには、ヨーロッパで一番大きな本物のモミの木が飾られます。
アルザスのいたるところで、歴史あるクリスマスマーケット/マルシェ・ド・ノエル、美しい飾りやイルミネーションを楽しめます。
アルザス地方では、クリスマスツリーに関する世界で最も古い記録や、クレッシュ(キリスト生誕群像)に関する古い記録も見つかっています。
アルザスの家庭におけるノエルの楽しみ方を知れば、歴史や伝統や家族を重んじる文化を、見直すことができるでしょう。
聖金曜日
聖金曜日(Vendredi saint)とは、イエス・キリストが、エルサレムで捕らえられ、鞭打たれ、十字架に磔にされたことを思う日。
アルザスでは祝日です。
イエスが迎えた死は、尋常なものではなく、きわめて残酷で、惨めなものでした。
十字架についたイエスは、こう言います。
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」
彼らとは、誰か。
罪ある行為を繰り返している私たち人類全て。
人間が心から悔い改め、イエス・キリストを道、真理、命として信じれば、永遠に救われる、というのが新しい契約(新約聖書)の内容。
西欧の文化や芸術を理解するのに、この聖金曜日は欠かせません。